飲食店内装はコンセプトと清潔感が重要なポイントです

飲食店はただメニューを提供する時代ではなくなりました。コンセプトを決めて多様化する現代にフィットし、お客様の要望に応えることが重要です。内装は方向性を決定付ける要素であり、空間演出でもありますので手が抜けないポイントになります。
お店を始める時には3つの大切な要素があります。メニューと立地と内装が飲食店の3本の柱です。 ハンバーガーショップなのか日本食なのかで内装は変わります。逆に無国籍風がコンセプトならば、おもちゃ箱をひっくり返したような賑やかさが演出になるのです。自分の目指す方向性と提供する料理で、内装のイメージは大きく変わり工事費用だって変化します。

チェーン店からみる飲食店の内装について

飲食店 内装

どこのお店に入っても一定の味と接客を提供してくれる飲食チェーン店では、マニュアルがありセントラルキッチンで大量に商品を作ることが特徴になります。飲食工場で作られた材料はお店に運ばれて適切な管理をされて、注文が入ったら調理に入るのです。大きな調理はせずに温めたり焼いたりなど、シンプルな作業で美味しく仕上がるのは長年の経営の改善の結果であり、ノウハウこそが飲食チェーン店の強みになります。
実はお店の立地や内装もこうしたノウハウが沢山詰まっており、外から見て安心して店内に入れるような視線の誘導や、お勧めしたいメニューを店内で入り口にポスターで貼ってアピールするなどのテクニックが使われているのです。お客様の単価や回転率などもデータ化して、高利益な構造を構築しております。
椅子やテーブルも工夫がされており、省スペースでも座り心地が良かったり、他のお客様と視線が合わないように仕切りがすりガラス状になっていたりなど、導線や視線が考えられ計算の上でインテリア設計がされているのです。飲食チェーン店のお店丸ごと、マーケティングや培ったデータの集大成そのものになります。
そのような観点で観察してみると、飲食店でも個性を発見出来るのです。入り口から注文するまでの流れ、調理時間などはサービスの中で提供側が重視するポイントになります。お昼や夕方などはお客様が多くなる時間なので、なるべく早く調理して提供することでお客様を待たせないだけではなく、機会損失も防ぐことが出来るのです。お店の内装もキッチンもこのような視点で工夫されているので、気になるポイントは観察してみることがお勧めになります。

楽しさを追求して提供するコンセプトカフェ

飲食店 内装

食べ物や飲み物を提供するお店なのに、飲食のレベルはインスタント食品レベルの場合があります。しかしいつ行ってもお店は繁盛しており、安いわけでもなくゆっくり落ち着くわけでもありません。ポイントはお店の従業員が若くて制服がメイド風であり、オムライスを注文するとケチャップで名前を書いてくれます。そしてオプションで店員とインスタント写真で記念撮影をしてもらいなど、飲食以外のサービスが充実しているのです。お客様は食事を楽しむだけではなく、こうした触れ合い体験を目当てにやってきています。
こうしたコンセプトカフェは2000年代から東京を中心に増えており、現在は全国に広がっているのが特徴です。内装はファンシーであったりライブハウス風であったり、アニメの世界を再現していたりなどそのお店ごとに強い個性があります。こうしたお店は経営側からするとコスト高ですが、付加価値を付けることで高収益を狙えるマーケティング手法です。
ターゲット層が限定することで、サービスの方向性を絞る狙いもあります。シンプルに飲料は5種類とか、食事は5種類とか思い切ったメニューで勝負しても、大切なのは付加価値の方なので影響は大きくありません。むしろメニューを絞って材料リスクを減少させることも出来るのです。さらにメニューを限定することで、味も追求できるかもしれません。現代は多様化したサービスが求められる時代になりました。喉の渇きや空腹を満たすためだけではなく、遊びの部分を求めて飲食店へやってくる人も少なくありません。

高級店の内装インテリアとサービス

飲食店 内装

高級店が高級なのは食材やサービスに対して費用をかけており、接客でも講習会などを開いてレベルの高いサービスを提供する訓練をしているからです。調理人シェフは学びに時間と費用をかけて、有名店で修業した後に厨房に入っているなどのスキルとノウハウを持っております。 料理に負けないぐらい調度品も充実させるのが高級店の嗜みです。
テーブルや椅子はデザイナーズブランドをチョイスして、毎日飾る花を変化させます。ワインセラーには本場のビンテージを在庫しておき、お客様の記念日にも最適な1本がいつでも取り出せるように配慮するのです。サービスは提供するのではなく、いつでも提供出来る体制であることが重要になります。
このような体制で運営しているお店は内装だけで数億円の費用がかかることも珍しくなく、絵画のレンタルや美術品などを飾ったりすればさらに格式もランニングコストも上昇してゆくのです。天井は高く照明だって一流の物であり、レストルームは広く清潔になります。
不況が叫ばれる時代でも、こうしたお店には一定の需要があるのです。家賃は勿論高くて、地下には駐車スペースを設けております。 通常の飲食店を作るには坪単価は50万円から100万円程度だと言われておりますが、高級店はその数倍の予算がかかることも珍しくはありません。
店内にあるガラス1枚から特注であり、料理を運ぶワゴンもブランドの物が使われます。飲食店を経営してみたいと考えるのならば、一度は高級店へ足を運んでみるといいかもしれません。サービスの本質を知るためには、上の世界もチェックしてみることが大切です。

分野別の得意な業者を探せば安く済むかもしれません

飲食店 内装

地域によっては特色のある産業が集中していることがあります。木工の得意な地域では、フラッシュドアと呼ばれるマンションや一戸建て向けの内装ドアを専門で製造している企業が数多くあるのです。現在は家具を購入し、製造するよりも備え付けの収納が多くなっていますが、こうした建付け収納を作って現場で取付けるのもこうした木工業者の役割になります。
通常はゼネコンや施工会社やハウスメーカーが、下請けで木工会社に仕事を依頼するピラミッド構造です。しかし近年はインターネットの発達により、木工会社が自社でインテリア施工部門を持ち、直接店舗設計や改装などを行うデザイン部門を強化する流れもあります。木工企業は下請けではないので利益を確保しやすくなりますし、依頼者側はハウスメーカーに依頼するよりも総費用が安くなる可能性があるのです。
こうした流れは木工だけではなく、金属加工のワンオフが得意な会社や、ガラスメーカーなどでも同様の場合があります。複数の企業が協力して地場の産業を新しい形で存続させるために、施工会社を作って仕事の依頼を受ける場合もあるのです。これからの働き方は個人事業主ではなく、組合を作り得意分野を発揮しながら受注する流れも模索されています。
従来の施工業者は内装一式を任せられるだけのノウハウがありますが、専門分野を持ち寄った組合企業では全体のバランスよりも個々のスキルとノウハウを活用して安くて良い物を提供出来る可能性があるのです。現在求められているのはディレクションや施工管理が出来る人材や、営業や施工が出来るエンジニアになります。

内装は飲食や小売りではポイントを持っております。良質な空間からは笑顔や安らぎが生まれます。 人々の関心が物の消費から体験の共有に移り、今後ますます飲食や観光の需要が増えることが予想されます。店舗運営や内装企業には大きなチャンスがあるのです。また産業の活性化と、大きなチャンスを結ぶための仲介役にも需要があります。時代は変化しているのです。